結論:NISAは、対象となる株式・投資信託などから得られる配当・分配金や売却益を、一定の制度条件のもとで非課税にする仕組みです。投資先の値上がりや元本を保証する制度ではありません。2026年時点の成人向け制度では、年間投資枠はつみたて投資枠120万円・成長投資枠240万円の合計最大360万円、非課税保有限度額は全体で1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)、非課税保有期間は無期限です。これらの数値は金融庁公式情報(2026年9月23日確認)にもとづきます。

NISAをまだ利用していない方の中には、「何が非課税になるのか」「つみたて投資枠と成長投資枠は何が違うのか」「上限を超えたらどうなるのか」「売却したら枠は戻るのか」が分かりにくいと感じている方も多いはずです。この記事では、証券会社選びやポイント還元率の比較ではなく、NISA制度そのものの仕組みを、2026年9月23日時点の金融庁公式情報にもとづいて初心者向けに整理します。

新NISAとは?何が非課税になる?

通常の課税口座(特定口座・一般口座)で株式や投資信託を運用すると、売却益や配当・分配金に対して約20%(所得税・住民税等、2026年時点の上場株式等にかかる税率は合計20.315%とされています)の税金がかかります。NISA口座では、対象となる商品から得られる売却益・配当・分配金が非課税になります。

  • 例課税口座で10万円の売却益が出た場合、通常は約2万円が税金として差し引かれますが、NISA口座であればこの約2万円がかからず、10万円をそのまま受け取れます
  • 株式の配当金を非課税にする条件上場株式の配当金を非課税で受け取るには、証券会社で配当金の受取方法を「株式数比例配分方式」に設定しておく必要があるとされています。この設定をしていない場合、NISA口座で保有していても配当金が非課税にならない場合があります
  • 投資信託の分配金投資信託の分配金は、受取方法の設定に関わらず、NISA口座で保有していれば非課税になるとされています
⚠ 非課税=利益が出る、ではない

NISAが非課税にするのは「利益が出た場合の税金」であり、値上がりや元本を保証する制度ではありません。投資先の価格が下がれば、NISA口座であっても評価額は減ります。

つみたて投資枠と成長投資枠の違い

2024年から始まった新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つがあり、併用できます。

比較項目つみたて投資枠成長投資枠
年間投資枠120万円240万円
対象商品長期・積立・分散投資に適した一定の要件を満たす投資信託・ETF(金融庁が定めた基準による)上場株式・投資信託等。ただし整理・監理銘柄、信託期間20年未満、毎月分配型、高レバレッジ型等の一部の投資信託は除外されるとされています
購入方法積立(定期・継続的な買付)積立・スポット購入のどちらも可能
併用可否併用可能(合計で年間最大360万円)
⚠ 「成長投資枠なら必ず成長する」わけではない

「成長投資枠」という名称は投資対象の幅広さを表すものであり、対象商品の値上がりを保証するものではありません。対象商品の範囲が広い分、リスクの高い商品も含まれ得る点に注意してください。

年間360万円と生涯1,800万円はどう違う?

NISAには「年間投資枠」と「非課税保有限度額」という2つの異なる上限があります。この2つを混同しないことが大切です。

  • 年間投資枠1年間に新たに投資できる金額の上限。つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円=合計最大360万円/年
  • 非課税保有限度額NISA口座で保有できる、取得金額(簿価)ベースの生涯合計上限。全体で1,800万円まで
  • 成長投資枠の内訳1,800万円のうち、成長投資枠で保有できるのは1,200万円までとされています。これは1,800万円とは別に追加される枠ではなく、1,800万円の内側の上限です

年間360万円を毎年満額使い続けたとしても、生涯の非課税保有限度額(1,800万円)に達すればそれ以上は非課税枠で新たに投資できなくなります。無理に枠を使い切る必要はなく、自分の資金計画に合わせて積立額を決めることが大切です。毎月の積立額の決め方は新NISAの積立額は毎月いくら?で解説しています。年末にその年の枠を使う場合の受渡日の考え方は、2026年のNISAはいつまで買える?で解説しています。

売却したら非課税枠は復活する?

NISA口座で保有している商品を売却すると、その商品の取得金額(簿価)相当分の非課税投資枠が、翌年以降に再利用できるようになるとされています。売却時の利益(時価)ではなく、あくまで取得金額(簿価)にもとづく点が重要です。

ケース内容
前提100万円で購入した投資信託が値上がりし、150万円で売却した場合
復活する非課税枠取得金額(簿価)である100万円分(売却額の150万円ではない)
復活するタイミング売却した年ではなく、翌年以降
⚠ 年間投資枠そのものが無制限になるわけではない

非課税保有限度額(生涯1,800万円)の中で枠が復活しても、1年間に投資できる金額の上限(年間投資枠:合計最大360万円)は変わりません。復活した枠をすぐに全額使えるとは限らない点に注意してください。

NISA口座を開設するには?

2026年9月時点の金融庁公式情報によると、NISA口座には以下のようなルールがあります。

  • 対象年齢日本国内に住んでいる方で、口座を開設する年の1月1日時点で18歳以上の方が開設できるとされています。2027年1月からの0〜17歳向けの制度はこどもNISAの記事で解説しています
  • 口座数1人につき1口座のみ開設できます
  • 金融機関の変更年単位で変更できるとされていますが、変更の手続き・タイミングには条件があるため、変更を検討する場合は事前に金融機関の案内を確認してください。期限や買付済みの場合の扱いはNISAの金融機関変更の記事で解説しています

NISA口座の開設と、実際に投資信託・株式等を購入する手続きは別のステップです。口座を開設しただけでは非課税の恩恵を受けられず、実際に対象商品を購入して初めて非課税措置の対象になります。本記事は2026年現在の制度にもとづいており、将来的に制度が変更される場合は、その時点の金融庁公式情報を確認してください。

NISAでポイントは貯まる?

NISAの非課税措置そのものは、ポイントを付与する制度ではありません。「NISAでポイントが貯まる」と感じる場合、その多くは証券会社が独自に提供している別のサービスによるものです。

証券会社ごとの詳しい還元率比較は、本記事では扱いません。上記の内部リンク先の記事で個別に解説しています。

カテゴリ比較 銀行・証券サービスを比較する NISA制度を理解したら、口座を開くならどの証券会社が自分に合うか、ポイント条件・手数料もあわせて比較できます。

NISAの注意点

  • 元本割れNISA口座で保有していても、投資信託・株式等の価格が下落すれば評価額は減ります。元本は保証されません
  • 手数料投資信託には信託報酬(保有期間中の運用管理費用)などの手数料がかかる場合があります。商品ごとに水準が異なるため、購入前に確認してください
  • 為替リスク外国株式・外国資産を含む投資信託等は、為替レートの変動によって円換算の評価額が変わる場合があります
  • 損益通算NISA口座内で発生した損失は、課税口座(特定口座・一般口座)の利益と損益通算できないとされています。NISA口座と課税口座を併用している場合は、この点を踏まえて取引することをおすすめします

ポイント還元やクレカ積立のお得さを目的に、必要以上に投資額を増やすことは避けましょう。NISAはあくまで税制上の優遇制度であり、投資の目的や金額は、ご自身の資金計画にもとづいて判断することが大切です。

よくある質問

NISAは何歳から利用できる?

2026年時点の制度では、日本国内に住んでいる方で、口座を開設する年の1月1日時点で18歳以上の方が対象とされています。誕生日ではなく、その年の1月1日時点の年齢で判定される点に注意してください。

2つの枠は併用できる?

できます。つみたて投資枠(年間120万円)と成長投資枠(年間240万円)は併用でき、合計で年間最大360万円まで投資できます。

1,800万円は毎年使える?

1,800万円は毎年の上限ではなく、生涯にわたる非課税保有限度額(取得金額ベース)です。1年間に投資できる金額は、別途年間投資枠(合計最大360万円)で決まります。

途中売却できる?

できます。売却した商品の取得金額(簿価)相当分の非課税枠は、翌年以降に再利用できるとされています。ただし、売却時の時価ではなく取得金額にもとづく点に注意してください。

NISA口座を複数作れる?

作れません。NISA口座は1人につき1口座のみです。ただし、金融機関の変更は年単位で可能とされています。

NISAを使えば必ず利益が出る?

利益を保証するものではありません。NISAは利益が出た場合の税金を非課税にする制度であり、投資先の価格が下落すれば元本割れする可能性があります。

NISAでクレカ積立のポイントは貯まる?

NISAの非課税措置そのものにポイント付与はありませんが、NISA口座でクレカ積立を利用した場合、証券会社・カード会社側の制度でポイントが還元される場合があります。条件は証券会社ごとに異なるため、個別記事でご確認ください。

まとめ

この記事のまとめ
  • NISAは、対象商品から得られる売却益・配当・分配金を非課税にする制度で、元本や値上がりを保証するものではない
  • つみたて投資枠(年間120万円)と成長投資枠(年間240万円)は併用でき、合計最大360万円/年
  • 年間投資枠(360万円)と非課税保有限度額(生涯1,800万円、うち成長投資枠は1,200万円まで)は別の上限
  • 売却すると、取得金額(簿価)相当分の非課税枠が翌年以降に復活する
  • NISA口座は1人1口座、18歳以上の国内居住者が開設できる
  • 「NISAでポイントが貯まる」のは証券会社側のクレカ積立・ポイント投資サービスによるもので、NISA制度そのものの機能ではない

NISAは非課税という税制上のメリットを活かす制度であり、投資そのものの成果を保証するものではありません。年間投資枠と非課税保有限度額の違いを理解したうえで、無理のない範囲で活用を検討してください。証券会社選びやポイント還元を比較したい場合は銀行・証券を比較もあわせてご覧ください。

情報確認日:2026年9月23日。参考:金融庁公式「NISAを知る」(fsa.go.jp/policy/nisa2/know/)、金融庁公式「つみたて投資枠対象商品」(fsa.go.jp/policy/nisa2/products/)、国税庁タックスアンサー「NISA(少額投資非課税制度)」(口座開設年の1月1日時点で18歳以上という年齢判定基準を含む、nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1535.htm)、国税庁タックスアンサー「上場株式等の配当等に対する課税(申告分離課税)」(20.315%の税率を含む、nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1331.htm)。本記事は2026年9月23日時点の現行制度にもとづいており、将来の制度変更は含みません。制度・数値は変更される場合があるため、最新情報は金融庁公式サイト・国税庁公式サイトでご確認ください。投資は元本を保証するものではありません。