結論:クレカ積立は「最大還元率」の数字だけでは比較できません。証券会社・対象クレジットカード・カードランク・年間カード利用額などの条件、積立月額の上限、ポイントの種類、NISA対応まで揃えて確認する必要があります。「○○証券が一番お得」と総合順位を決めるのではなく、自分が使うカードと積立額に照らして判断することが大切です。
NISAや投資信託の積立を検討している方の中には、SBI証券・楽天証券・マネックス証券のどれを使うか、ポイント面から比較したい方も多いはずです。この記事では、証券会社そのものの総合的な優劣ではなく、「クレジットカードで投信積立をする場合のポイント制度」に絞って3社を横断比較します。数値・条件は変更される場合があるため、最新情報は設定前に必ず各社公式サイトでご確認ください。
| 証券会社 | 対象カード(代表例) | 積立上限額(月) | 基本のポイント付与条件 | 最大還元率になる主な条件 | 貯まるポイント | NISA対応 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| SBI証券 | 三井住友カード(一般・ゴールド(NL)・プラチナプリファード等) | 10万円 | カードの種類・前年の年間カード利用額に応じて還元率が変わる | 上位カードの保有+年間カード利用額の条件を満たし、さらにOlive資産運用サービスの条件を満たす場合に上乗せあり | Vポイント | 対応(つみたて投資枠・成長投資枠とも公式で案内) |
| 楽天証券 | 楽天カード(一般・ゴールド・プレミアム・ブラック) | 10万円 | カードの種類と、積み立てる投資信託の代行手数料水準(年率0.4%以上か未満か)の組み合わせで還元率が変わる | 上位カード(ブラックカード等)の保有+代行手数料が高いファンドを選ぶ場合 | 楽天ポイント | 対応(つみたて投資枠・成長投資枠とも公式で案内) |
| マネックス証券 | マネックスカード | 10万円(毎月1,000円から1円単位で設定可能) | 積立金額の区分(5万円以下/5万円超7万円以下/7万円超10万円以下)に応じた還元率。2026年10月買付分からは、月のカードショッピング利用額(マネックスカード投信つみたて分を除く)の区分が新たに条件に加わる | 2026年10月買付分以降は、月のカードショッピング利用額が5万円以上であることが、現行水準を維持する条件になる | マネックスポイント | 対応(つみたて投資枠・成長投資枠とも公式で案内) |
上表の「最大還元率になる主な条件」は、上位カードの保有や年間利用額など複数の条件を満たした場合の目安です。一般カードでそのまま同じ還元率になるとは限らないため、次章以降で証券会社ごとに条件を分けて確認します。
クレカ積立とは?
クレカ積立とは、証券会社の口座とクレジットカードを連携させ、あらかじめ設定した金額を投資信託の積立購入に自動で充てる仕組みです。仕組みの基本や投資リスクとの違いはクレカ積立でポイントは貯まる?投資前に知りたい基本と注意点で解説しているため、本記事ではSBI証券・楽天証券・マネックス証券3社の比較を中心に扱います。
SBI証券のクレカ積立
2026年9月22日時点のSBI証券・三井住友カード公式情報によると、SBI証券のクレカ積立は三井住友カードでの決済に対応しており、カードの種類と前年の年間カード利用額(積立分を除く)に応じてポイント付与率が変わるとされています。
- 対象カード三井住友カード(一般・ゴールド(NL)・プラチナ・プラチナプリファード等)が対象とされています
- 年間カード利用額条件前年の年間カード利用額(クレカ積立分を除く)が一定額に達しているかどうかで、翌年のポイント付与率が変わるとされています
- カードランクによる差公式情報では、対象カード・条件により最大4%のポイントが付与されるとされ、さらに所定のOlive資産運用サービスの条件を達成することで最大2%が上乗せされる案内があります。「誰でも6%」ではなく、上位カード保有・年間利用額・Olive資産運用サービスの条件をすべて満たした場合の数値である点に注意してください
- 積立上限クレカ積立の月間設定上限額は10万円とされています
- NISA対応NISA口座(つみたて投資枠・成長投資枠)でもクレカ積立を利用できるとされています
一般カード(スタンダードカード)の場合、初年度は条件なしで0.5%相当のVポイントが付与され、2年目以降は前年の年間カード利用額が一定額以上かどうかでポイント付与率が変わるとされています。カードランクごとの詳細な還元率は変更される場合があるため、カードを選ぶ際は三井住友カード公式サイトで最新の付与率表を確認することをおすすめします。
楽天証券のクレカ積立
2026年9月22日時点の楽天証券公式情報によると、楽天証券のクレカ積立(楽天カードクレジット決済)は、楽天カードの種類と、積み立てる投資信託の代行手数料水準(年率0.4%(税込)以上か未満か)の組み合わせでポイント還元率が決まるとされています。
- 積立上限月100円〜10万円まで、100円単位で設定できるとされています(2024年4月積立分から月5万円→10万円に引き上げ)
- 還元率の考え方代行手数料が年率0.4%(税込)以上のファンドと未満のファンドとで、カード種類ごとの還元率が異なるとされています。一般の楽天カードであれば一律1%といった単純な制度ではなく、ファンドの代行手数料水準によって還元率が変わる点に注意してください
- カードランクによる差楽天カード(一般)・楽天ゴールドカード・楽天プレミアムカード・楽天ブラックカードで還元率の上限が異なるとされています
- 判定タイミング還元率は積立購入前月12日(非営業日は前営業日)時点の代行手数料データにもとづいて判定されるとされ、設定後に還元率が変わる可能性があります
- NISA対応NISA口座(つみたて投資枠・成長投資枠)でもクレカ積立を利用できるとされています
マネックス証券のクレカ積立
マネックス証券公式発表によると、2026年10月買付分からマネックスカード投信つみたてのポイント進呈条件が変更される予定です。本記事の確認基準日は2026年9月22日のため、「現在(2026年9月時点)の条件」と「2026年10月買付分以降の条件」を分けて説明します。
- 現在(2026年9月時点)の条件積立金額の区分(5万円以下/5万円超7万円以下/7万円超10万円以下)に応じて、1.10%/0.60%/0.20%の還元率が設定されているとされています。「最大1.1%」は積立額のうち5万円以下の部分にのみ適用される率で、積立額全体に一律で適用されるわけではありません
- 2026年10月買付分からの変更公式発表によると、上記の還元率が適用されるには、月のカードショッピング利用額(マネックスカード投信つみたて分を除く)が5万円以上であることが条件に加わります。カードショッピング利用額が1万円以上5万円未満の場合は、還元率がそれぞれ0.55%/0.30%/0.10%(現行の半分の水準)に下がり、1万円未満の場合は0%になるとされています
- 積立上限クレカ積立の月間設定上限額は10万円で、毎月1,000円から1円単位で設定できるとされています
- 年会費の改定同時期(2026年10月引き落とし分から)に、マネックスカードの年会費を永年無料に改定する旨も公式発表されています。ポイント還元条件の変更とあわせて確認することをおすすめします
- NISA対応NISA口座(つみたて投資枠・成長投資枠)でもクレカ積立を利用できるとされています
| 月のカードショッピング利用額(積立分を除く) | 積立額5万円以下の部分 | 積立額5万円超〜7万円以下の部分 | 積立額7万円超〜10万円以下の部分 |
|---|---|---|---|
| 5万円以上(現行水準を維持) | 1.10% | 0.60% | 0.20% |
| 1万円以上5万円未満 | 0.55% | 0.30% | 0.10% |
| 1万円未満 | 0% | 0% | 0% |
上表は2026年10月買付分からの条件です。マネックス証券のクレカ積立を検討する場合は、積立額の区分だけでなく、普段のカードショッピング利用額(2026年10月買付分からの新条件)も含めて、自分がどの還元率区分に該当するかを確認することが重要です。
最大還元率だけ比較すると失敗しやすい理由
たとえば「A社 最大6%」「B社 最大2%」「C社 最大1.1%」という数字だけを見ると、A社が圧倒的に有利に見えます。しかし、最大値には次のような条件が付いている場合があります。
- 上位ランクのクレジットカードを保有していること
- 年間のカード利用額が一定額以上であること
- 資産運用サービスなど、別サービスへの申込みが条件になっていること
- 積立額の区分によって、一部の金額にしか最大還元率が適用されないこと
- 積み立てる投資信託の代行手数料水準によって還元率が変わること
自分が実際に保有・利用できるカードランクや利用額の条件を満たせないまま「最大○%」の数字だけで証券会社を選んでしまうと、想定していたポイントが得られない場合があります。比較する際は、必ず自分の利用条件に当てはまる還元率を確認しましょう。
月5万円・月10万円で年間ポイントを試算
各社の代表的な一般カード条件を公式情報で確認したうえで、前提条件をそろえて試算します。以下はあくまで一例であり、カードランクや条件によって数値は変わります。
| 証券会社(代表的な一般カード条件) | 月5万円×12か月(年60万円) | 月10万円×12か月(年120万円) |
|---|---|---|
| SBI証券(三井住友カード一般、前年利用額条件を満たした場合の還元率0.5%と仮定) | 年間 約3,000円相当 | 年間 約6,000円相当 |
| 楽天証券(楽天カード一般、代行手数料水準により還元率0.5%〜1.0%と仮定) | 年間 約3,000円〜6,000円相当 | 年間 約6,000円〜12,000円相当 |
| マネックス証券(マネックスカード、2026年10月以降の条件で月のカードショッピング利用額5万円以上を満たした場合:5万円以下1.10%/5万円超7万円以下0.60%/7万円超10万円以下0.20%) | 年間 約6,600円相当(50,000円×1.10%×12か月) | 年間 約8,760円相当(50,000円×1.10%+20,000円×0.60%+30,000円×0.20%=月730円相当×12か月) |
この試算は「代表的な一般カードで、条件を満たした場合」を前提とした一例です。実際の還元率はカードランク・年間利用額・投資信託の代行手数料・カードショッピング利用額などの条件によって変わるため、必ず自分の条件に当てはめて公式サイトで確認してください。条件が複雑で単一の代表値を出しにくい楽天証券・マネックス証券については、複数のケースに分けて記載しています。
NISAでもクレカ積立できる?
SBI証券・楽天証券・マネックス証券とも、NISA口座(つみたて投資枠・成長投資枠)でクレカ積立を利用できるとされています。ただし、NISAの年間投資枠の上限と、クレカ積立の月間上限額は別の制度です。積立設定をする際は、両方の上限を混同しないよう注意してください。NISA制度自体の詳しい仕組み(つみたて投資枠と成長投資枠の違い、非課税保有限度額、売却時の枠の再利用など)は、本記事では簡潔な説明にとどめ、新NISAとは?つみたて投資枠と成長投資枠の違い・非課税ルールを初心者向けに解説で詳しく解説しています。
ポイントを投資に使えるかも別問題
「クレカ積立でポイントを獲得すること」と、「保有しているポイントを使って投資信託等を購入すること」は別の制度です。クレカ積立で貯まったポイントをそのまま自動で投資に回せるとは限りません。ポイントを投資に使う仕組みについてはポイント投資とは?貯めたポイントで投資体験を始める方法、投資との違いや注意点はポイント運用とは?投資との違いと初心者が知るべき注意点で詳しく解説しています。
クレカ積立のように購入時に付くポイントとは別に、投資信託を保有している間に付与される「投信保有ポイント」もあります。SBI証券・楽天証券・マネックス証券・松井証券の付与条件の違いは投信保有ポイントを4社比較で整理しています。
クレカ積立を選ぶときのチェックリスト
- 普段使っている、または申し込めるクレジットカードはどれか
- カードの年会費は積立で得られるポイントに見合うか
- 最大還元率に必要な年間カード利用額を満たせるか
- 毎月の積立金額はいくらにするか
- NISA口座を利用する予定があるか
- 貯まったポイントの使い道は決まっているか
- ポイントをそのまま投資に使えるか、別制度かを確認したか
- 積立設定の締切日・買付スケジュールを確認したか
- 制度変更の予定(マネックス証券の2026年10月改定など)を確認したか
よくある質問
クレカ積立はどこが一番還元率が高い?
証券会社ごとに対象カード・年間利用額・投資信託の条件などが異なるため、最大値だけで一概に決められません。自分が保有・利用できるカードランクと積立額に当てはめて比較することをおすすめします。
SBI証券は誰でも最大還元率になる?
なりません。上位カードの保有、年間カード利用額の条件、Olive資産運用サービスの条件などを満たした場合に適用される還元率です。一般カードでそのまま最大還元率になるわけではありません。
楽天カード一般カードでは何%?
積み立てる投資信託の代行手数料水準によって異なり、年率0.4%(税込)未満のファンドと0.4%以上のファンドで還元率が変わるとされています。詳細は楽天証券公式サイトでご確認ください。
マネックス証券は2026年10月から何が変わる?
公式発表によると、2026年10月買付分から、還元率(積立額5万円以下1.10%/5万円超7万円以下0.60%/7万円超10万円以下0.20%)を維持するには、月のカードショッピング利用額(積立分を除く)が5万円以上であることが条件に加わります。1万円以上5万円未満の場合は還元率が半分程度(0.55%/0.30%/0.10%)に、1万円未満の場合は0%になるとされています。あわせて年会費を永年無料にする改定も発表されています。
月10万円までカード積立できる?
SBI証券・楽天証券・マネックス証券とも、クレカ積立は月10万円まで設定できるとされています。ただし最低積立額(マネックス証券は毎月1,000円から)や設定単位等は証券会社によって異なるため、設定前に公式サイトで確認してください。
NISAでもポイントは付く?
3社ともNISA口座でのクレカ積立に対応しているとされています。ポイント付与の条件は課税口座での積立と同様に、カードの種類や利用額などの条件によって決まります。
積立以外のカード利用額も条件になる?
証券会社・カードによって異なります。SBI証券(三井住友カード)は前年の年間カード利用額(積立分を除く)が条件に関わり、マネックス証券は2026年10月買付分から月のカードショッピング利用額が条件に加わる予定です。
まとめ
- クレカ積立は「最大還元率」の数字だけで証券会社を決めるのは危険で、対象カード・年間利用額・積立額の条件をそろえて比較する必要がある
- SBI証券は三井住友カードのランク・年間利用額・Olive資産運用サービスの条件で還元率が変わる
- 楽天証券は楽天カードの種類と投資信託の代行手数料水準の組み合わせで還元率が変わる
- マネックス証券は2026年10月買付分からカードショッピング利用額の条件が新たに追加される予定
- 「クレカ積立のポイント」と「ポイントを使った投資」は別制度であり、混同しないよう注意する
クレカ積立を選ぶ際は、表面上の最大還元率ではなく、自分が実際に満たせる条件でどの証券会社・カードが有利になるかを確認することが大切です。制度は変更される場合があるため、積立設定の前に必ず各社公式サイトで最新情報をご確認ください。
情報確認日:2026年9月22日。参考:SBI証券公式「クレカ積立」、三井住友カード公式「三井住友カードつみたて投資」「三井住友カードつみたて投資のポイント付与率および条件」、楽天証券公式「クレカ積立(楽天カードクレジット決済)」「楽天カードクレジット決済のポイント還元率」、マネックス証券公式「マネックスカード|クレカ積立」「マネックスカード投信つみたてのポイント還元率と年会費の改定」。投資は元本を保証するものではなく、ポイント還元は投資の損失を補償するものではありません。制度・還元率・上限額は変更される場合があるため、最新情報は各社公式サイトでご確認ください。