結論からいうと、自動車税はeL-QR等に対応した納付書であれば、地方税お支払サイトや対応スマートフォン決済アプリを利用してキャッシュレス納付できます。ただし、クレジットカード払いにはシステム利用料が発生し、カード会社によって税金支払いのポイント還元率が通常のショッピングと異なる場合があり、スマホ決済アプリで支払ってもポイントが付くとは限りません。つまり「キャッシュレス=必ず得」ではなく、獲得ポイント相当額から決済手数料を差し引いた実質損益で判断する必要があります。この記事では、税金支払い全般ではなく「自動車税という1つの支払い」に絞り、決済手数料と獲得ポイントを比較する損益分岐の考え方を整理します。税金支払い全般の基本は税金支払いでポイントを貯める方法はある?で解説しているため、本記事では自動車税に特化して掘り下げます。

支払い方法をひと目で比較

詳しい解説の前に、結論だけを先に確認したい方向けの比較です。詳しい条件は本文後半の比較表で解説します。

クレジットカードスマホ決済現金・その他
手数料システム利用料ありアプリ利用は無料(通信料除く)無料
直接のポイント付与カードの還元条件次第(通常と異なる場合あり)アプリ側の条件次第、保証なし基本的に対象外
自宅で支払えるか可能可能窓口払いは不可
領収証書発行されない発行されない窓口はその場で発行
向いている人税金支払いの還元率がシステム利用料を上回るとわかっている人手数料をかけずに自宅で支払いたい人領収証書が急ぎで必要な人

自動車税はキャッシュレスで支払える?

近年、多くの自治体では、納付書に「eLマーク」が記載された「eL-QR(地方税統一QRコード)」または「eL番号」を使って、地方税共同機構が運営する「地方税お支払サイト」でキャッシュレス納付ができるようになっています。納付書のQRコードをスマートフォンのカメラで読み取るか、eL番号をサイトに入力することで、クレジットカードやインターネットバンキングなどでの支払い手続きに進めます。

  • 納付書にeLマーク(eL-QR)が印刷されているか確認する
  • 地方税お支払サイトまたは対応スマートフォン決済アプリでeL-QRを読み取る、またはeL番号を入力する
  • 地方税お支払サイト・スマートフォン決済アプリを利用したキャッシュレス納税では、領収証書は発行されない

情報確認日:2026年9月11日。参考:地方税お支払サイト「各種お支払手順について」、地方税お支払サイト「eLマークの記載された納付書での納付方法」

車検前に自動車税を払うときの注意点

ここでいう「領収証書」は、あくまで支払いを行ったことを示す受領書です。一方、普通自動車の車検(継続検査)で問題になるのは、これとは別の「自動車税(種別割)の納税証明書」です。この2つを混同しないでください。

普通自動車については、国土交通省(運輸支局等)と都道府県のシステムが連携しており、納税状況を電子的に確認(電子確認)できる仕組みになっています。この電子確認ができれば、車検時に納税証明書を窓口へ提示する必要はありません。つまり、キャッシュレス納付で領収証書が発行されないこと自体は、通常の車検では問題にならないケースが多いということです。

⚠ 納付直後の車検は納税証明書が必要になる場合がある

納付した情報が都道府県のシステムに反映され、電子確認できるようになるまでには一定の日数がかかります。反映前に車検を受ける場合は、従来どおり納税証明書の提示が必要です。反映にかかる日数は自治体・納付方法によって異なり、全国一律ではありません(例として、埼玉県ではクレジットカード・スマホ決済・eL-QR納付の場合で約4日程度、県内金融機関の窓口納付で約10日程度、県外金融機関では約3週間程度とされています。2026年9月11日確認)。車検が近い場合は、余裕を持って早めに納付するか、必要であれば納税証明書の発行について自治体窓口に確認してください。

なお、軽自動車税(種別割)は普通自動車の自動車税とは別の制度で運用されており、電子確認の対応状況は市区町村によって異なります。軽自動車をお持ちの場合は、お住まいの市区町村の案内も確認してください。

情報確認日:2026年9月11日。参考:国土交通省「登録自動車については、国の継続検査窓口での自動車税納税証明書の提示を省略できるようになります」、埼玉県「自動車税納税証明書(継続検査・構造等変更検査用)の提示は、原則として省略できます」。反映日数・対応状況は自治体・時期によって変更される場合があるため、最新情報はお住まいの都道府県・運輸支局にご確認ください。

自動車税で利用できる主な支払い方法

自動車税(種別割)の主な支払い方法は次のとおりです。対応状況は自治体によって異なるため、必ず納付書または自治体公式サイトで確認してください。

支払い方法特徴
クレジットカード地方税お支払サイトでeL-QR・eL番号を使って支払う。システム利用料が別途発生
対応スマートフォン決済アプリeL-QRを読み取って支払う。PayPay・楽天ペイ・d払いなどが対応(自治体により異なる)
インターネットバンキング地方税お支払サイト経由で口座から支払う
口座振替(ダイレクト方式)事前に登録した口座から自動的に引き落とされる
Pay-easy(ペイジー)ATMやネットバンキングでペイジー番号を使って支払う
金融機関・コンビニでの現金納付従来型の窓口払い。領収証書がその場で発行される

クレジットカード払いにはシステム利用料がかかる

クレジットカードで自動車税を納付する場合、税金の金額そのものとは別に「システム利用料」という決済手数料が発生します。これは自治体や税金の金額に上乗せされるものではなく、あくまでクレジットカード決済を仲介するシステムを利用するための手数料です。

⚠ 一例:F-REGI公金支払いのシステム利用料

多くの自治体で使われている「F-REGI公金支払い」では、納付金額1円〜1万円で40円、1万1円〜2万円で123円、2万1円〜3万円で205円、3万1円〜4万円で288円、5万円以上は1万円ごとに82〜83円が加算される料金体系が案内されています(2026年9月11日確認)。ただし、これは一例であり、自治体・決済システムによって料金体系は異なります。実際に支払う前に、必ず地方税お支払サイトまたは自治体公式の「システム利用料試算」ページで最新の金額を確認してください。

参考:三井住友VISAカード「自動車税をクレジットカードで支払うとポイントが貯まる」

自動車税のポイント還元で得する損益分岐

損益分岐は、次の式で考えます。

計算式

獲得ポイント相当額 = 納付額 × 実際の税金支払い還元率
実質損益 = 獲得ポイント相当額 − システム利用料
損益分岐還元率 = システム利用料 ÷ 納付額 × 100

このうち「損益分岐還元率」が分かれば、自分のカードの税金支払い時の還元率と見比べるだけで、計算しなくても得か損かをすぐに判断できます。実質損益がプラスになるのは、税金支払い時の還元率が損益分岐還元率を上回る場合です。ここでいう「実際の税金支払い還元率」は、カードの通常のショッピング還元率ではなく、税金・公共料金の支払いに適用される還元率である点に注意してください(次の見出しで詳しく説明します)。

前提条件(編集部試算)内容
納付額36,000円(排気量1,500cc超〜2,000cc以下の自動車税の一例)
システム利用料288円(F-REGI公金支払いの3万1円〜4万円区分。2026年9月11日確認)
損益分岐還元率288円÷36,000円×100=0.8%

この条件では、税金支払いに対する実質還元率が0.8%を超えれば獲得ポイント相当額がシステム利用料を上回り、実質損益がプラスになります。たとえば税金支払い還元率1%のカードなら、獲得ポイント相当額は36,000円×1%=360円相当、実質損益は360円−288円=+72円です。一方、還元率が0.2%のカードでは、獲得ポイント相当額は36,000円×0.2%=72円相当、実質損益は72円−288円=−216円とマイナスになります。同じ納付額・同じ手数料でも、適用される還元率が損益分岐還元率を上回るかどうかで、損益がプラスにもマイナスにもなることが分かります。

納付額が変わればシステム利用料も損益分岐還元率も変わります。以下は、地方税お支払サイト(F-REGI公金支払い)のシステム利用料をもとにした、代表的な納付額ごとの損益分岐還元率の一例です(2026年9月11日確認、編集部試算)。

納付額システム利用料(F-REGI公金支払い)損益分岐還元率
10,000円40円0.40%
20,000円123円0.62%
30,000円205円0.68%
36,000円288円0.80%
40,000円288円0.72%
50,000円370円0.74%

システム利用料は段階的に上がるため、損益分岐還元率は納付額によって0.4%台〜0.8%程度の間で変動します。自治体・決済システムによって料金体系は異なるため、実際に支払う前に必ず地方税お支払サイトまたは自治体公式の「システム利用料試算」ページで、自分の納付額に対する最新の金額を確認してください。

カードの通常還元率をそのまま使ってはいけない

クレジットカードの中には、税金や公共料金の支払いを、通常のショッピングとは別の還元率で扱っているものがあります。カードのパンフレットに書かれている「還元率1%」などの数字を、そのまま税金支払いに当てはめないよう注意してください。

  • 楽天カードの例:通常のショッピングは100円につき1ポイント(1.0%)だが、税金・公共料金は500円につき1ポイント(0.2%)とされている
  • 三井住友カードの例:基本還元率0.5%で、税金支払いも通常と同じ還元率が適用されるとされている(上位カードでは還元率が異なる場合がある)
⚠ 必ずカード会社公式で確認

還元率はカードの種類・時期によって変更される場合があります。上記はあくまで確認できた一例であり、すべてのカードに当てはまるものではありません。自分が使うカードの「税金・公共料金の還元条件」を、カード会社の公式サイトで必ず確認してください。

スマホ決済なら手数料なし=お得とは限らない

対応するスマートフォン決済アプリでeL-QRを読み取って納付する場合、アプリの利用そのものにかかる手数料は無料とされています(通信料は利用者負担)。クレジットカードのようなシステム利用料がかからない点は、スマホ決済のメリットの一つです。

ただし、ポイントが付くかどうか・還元率がどのくらいかは、地方税共同機構が保証しているものではありません。地方税お支払サイト側は、ポイント付与の詳細について各アプリ会社へ確認するよう案内しています。楽天ペイ・d払いなど各アプリの条件は、それぞれの公式サイト・アプリ内の案内で個別に確認してください。ここではPayPayについて、公式に確認できる内容を具体的に整理します。

⚠ PayPayでの税金支払い(請求書払い)について

自動車税の請求書払いで利用できるのはPayPayマネー・PayPayマネー(給与)・PayPayクレジットで、PayPayマネーライト・PayPayポイントでは支払えません。また、税金・公共料金などの請求書払いはPayPayステップの「利用特典」の対象外のため、通常はこの支払いに対してPayPayポイントは付与されません(決済回数・利用金額としてはカウントされます)。決済手段としての利用可否と、ポイント付与の有無は別の話なので混同しないでください。

情報確認日:2026年9月11日。参考:PayPay「請求書払い」公式ページ、PayPay「PayPayステップ」公式ページ。仕様は変更される場合があるため、最新の条件はPayPay公式の案内でご確認ください。

スマホ決済アプリ全般のポイントの貯め方・使い方の基本はPayPayポイントとは?でも解説しています。

クレカ・スマホ決済・その他の方法を比較

方法決済時の手数料ポイント付与の可能性自宅で支払えるか領収証書
クレジットカードシステム利用料あり(納付額に応じて変動)カードの還元条件次第(通常と異なる場合あり)可能発行されない
スマホ決済アプリアプリ利用は無料(通信料除く)アプリ側の条件次第、保証なし可能発行されない
インターネットバンキング基本無料(金融機関の手数料規定による)基本的に対象外可能発行されない
口座振替無料対象外手続き不要で自動発行されない
金融機関・コンビニ窓口(現金)無料基本的に対象外不可(窓口へ行く必要あり)その場で発行される

普通自動車の車検自体は、納税証明書の電子確認により納税証明書の提示を省略できる場合が多いですが、納付直後は電子確認ができず証明書が必要になることがあります。詳しくは前述の「車検前に自動車税を払うときの注意点」を確認してください。

こんな人はクレジットカード納付を検討しやすい

  • 使っているカードの税金支払い還元率を確認した結果、システム利用料を上回るとわかっている
  • 領収証書がすぐには必要ない
  • 手元に現金を用意せず、口座引き落としのタイミングを調整したい

こんな人は別の方法も検討した方がよい

  • 使っているカードで税金支払いがポイント対象外、または大幅に低い還元率になっている
  • 試算した結果、獲得ポイント相当額よりシステム利用料の方が高い
  • 領収証書がすぐに必要(車検が近いなど)

固定費全体を見直してポイ活の効率を上げたい方は固定費が少ない人のポイ活術、電気・ガス・水道など他の公共料金でのポイントの考え方は電気・ガス・水道でポイントは貯まる?もあわせてご覧ください。

自動車税を支払う前のチェックリスト

  • 納付書にeL-QR(eLマーク)が印刷されているか
  • 納期限はいつか
  • 使っているカードの税金支払い時の還元率(通常還元率と異なる場合がある)
  • システム利用料はいくらか(公式シミュレーターで確認)
  • カードの利用可能額に余裕があるか
  • ポイント付与の対象外条件がないか
  • 領収証書が必要かどうか

クレジットカードの還元率の基本的な考え方はクレジットカードのポイント還元率とは?、主要カードの基本還元率・年会費の比較はクレジットカードのポイントを徹底比較で解説しています。

よくある質問

自動車税をクレカ払いするとポイントは付きますか?

カードによって付く場合と付かない場合があります。付く場合でも、税金・公共料金は通常のショッピングと還元率が異なるカードが多いため、必ずカード会社公式サイトで税金支払い時の還元条件を確認してください。

PayPayで払うとポイントは付きますか?

通常はポイントは付与されません。税金の請求書払いはPayPayステップの「利用特典」の対象外のためです。また、請求書払いで利用できるのはPayPayマネー・PayPayマネー(給与)・PayPayクレジットのみで、PayPayマネーライト・PayPayポイントでは支払えません。楽天ペイ・d払いなど他のアプリはそれぞれの公式サイトで確認してください。

クレカ手数料(システム利用料)はいくらですか?

納付額に応じて金額が変わる仕組みで、自治体・決済システムによっても異なります。目安は本文の例を参考にしつつ、必ず地方税お支払サイトまたは自治体公式の「システム利用料試算」ページで最新の金額を確認してください。

分割払いはできますか?

地方税お支払サイトでのクレジットカード納付自体は一括払いが基本です。分割払い・リボ払いにするかどうかは、カード会社側の支払い方法設定によるため、金利手数料が発生する場合がある点にも注意してください。

領収書は発行されますか?

地方税お支払サイトやスマートフォン決済アプリを利用したキャッシュレス納税では、領収証書は発行されないとされています。ただし普通自動車の車検で必要になるのは領収証書ではなく別の「納税証明書」で、電子確認ができれば車検時の提示自体が不要になる場合が多いです。詳しくは次の質問もあわせてご確認ください。

車検前でもキャッシュレス納付して大丈夫ですか?

普通自動車は国土交通省と都道府県のシステム連携により納税状況を電子的に確認できるため、電子確認ができれば納税証明書の提示は不要です。ただし納付直後は情報がシステムに反映されておらず、証明書が必要になる場合があります。反映にかかる日数は自治体・納付方法によって異なるため、車検が近い場合は早めに納付し、必要であれば自治体・運輸支局に確認しておくと安心です。

この記事のまとめ
  • eL-QR対応の納付書なら、地方税お支払サイトや対応スマホ決済アプリで自動車税をキャッシュレス納付できる
  • クレジットカード払いにはシステム利用料がかかり、税金支払いの還元率は通常のショッピングと異なるカードが多い
  • スマホ決済アプリは手数料無料の場合が多いが、PayPayの請求書払いは通常ポイント付与の対象外(他アプリは個別に要確認)
  • 損益は「獲得ポイント相当額−システム利用料」、損益分岐還元率は「システム利用料÷納付額×100」で計算する
  • 領収証書はキャッシュレス納付では発行されないが、普通自動車の車検で必要な「納税証明書」は電子確認で提示省略できる場合が多い

自動車税のキャッシュレス納付は便利な一方、「ポイントが付くから得」と思い込むと、手数料の方が高くつく場合もあります。納付書が届いたら、まず自分のカード・アプリの税金支払い条件とシステム利用料を確認し、この記事の計算式で実質損益を試算してから支払い方法を選びましょう。